「四季・ユートピアノ」「川の流れはバイオリンの音」といったNHKの名作テレビドラマで国内外から高く評価されてきた演出家・佐々木昭一郎が、約20年ぶりにメガホンをとって手がけた、初の長編劇映画。ソウルで暮らす女子大生ミンヨンは、亡き祖母が遺した1枚の古い写真に心をとらわれている。それは、祖母の親友だった日本人・佐々木すえ子とその家族を撮った戦時中の写真だった。すえ子への思いを抑えきれず日本へと渡ったミンヨンは、そこでストリートチルドレンの少年や何者かに追われるジャーナリストら、多くの人々と出会う。やがて、すえ子がかつて暮らしていた屋敷にたどり着いたミンヨンは、70年の時を超えて戦時中のすえ子の苦難を経験する。
1974年度芸術祭テレビドラマ部門参加作品
少年は川に倒れていた少女を助け介抱する。少女は
祖母と暮らした海のある故郷や東京での孤独な日々
の記憶を反芻し、少年は少女の存在が心の支えと
なっていく。ある日少女は少年の前から姿を消す。
繊細な内面を映し出した映像と、パッヘルベルの
カノンが織り成す美しい詩篇。中尾幸世が透明感
溢れる少女を演じ、以後佐々木作品のミューズ的
存在となる。