松島ナミは、幼い妹を誘拐によって失い、父親も自殺するという悲惨な過去を持つ女医だ。だが、今は有意義な仕事と優しい恋人の優二に恵まれ幸せな日々を送っている。ある日、交通事故で運ばれた患者の黒田の顔が15年前の雨の日、ナミの目の前で妹を連れ去った男に似ているのに驚愕する。しかし、黒田は時効が成立したとほくそ笑み、妹を陵辱する言葉を吐いた。ナミは黒田にメスを突き立て、虫の息になった彼はナミに妹を殺したのは共犯者だと告白するが、名前を言う前にこと切れてしまった──。殺人罪で懲役10年の刑を受けたナミは、刑務所内で行われるリンチや性的虐待に耐えていた。だが、ある日、長い間記憶の中に埋もれていた実行犯の特徴が甦る。片腕の男だったのだ。そんなと木南は、妹の面影を持つ死刑囚・さゆりから身の上話を聞く。さゆりは、国会議員・曽根の犯した殺人現場のビデオテープと引き替えに...
不動産会社社長である本田は、田舎から上京してきたという女・鏡子に部屋を紹介していた。閉ざされた部屋の見ず知らずの男女二人きり…二人は何かの衝動にかられ、互いを求め合う。鏡子の痴態を覗く本田、戸惑いつつも覗かれながら自慰をする快感に打ちのめされる鏡子…二人の奇妙な共同生活がはじまった。過去の傷で、覗くことでしかイケない男。過去に縛られ、覗かれることで感じる女。孤独と孤独が結びつけた歪んだ愛の果てにあるものは?
深夜オフィスの休憩コーナー。谷静香は水槽に手を入れ、内側でへばりついているタニシを立て続けに呑み、やがて昏倒する。
その後発見された彼女は救急搬送され別状はなかったものの、眼鏡にダサい服、そしてタニシを丸飲みした女として、社内では彼女の噂でもちきりだった。
病院から帰宅すると。妹・美月と彼氏のター君、そして母親・繁子が仲良く酒を飲んでいた。母と妹は明るく、静香は家でも馬鹿にされがちだった。
静香が小学生の頃に両親が離婚し、母親の旧姓「谷」に名字が変わり「タニシ」と呼ばれるようになり、自分の殻に引きこもりがちになった。静香には彼氏はおろか、友人もいない。
隣室から美月の喘ぎ声を耳にした静香は、ボーイズラブとスプラッターの混じった腐女子的な妄想をしながらオナニーに耽った。その時、尻から声が聞こえ、驚いて肛門を見ると、そこから顔を出す異形の生物がいた。その生物は自分のことを、静香の腹に棲み着いた閻魔大王の下僕の蟯虫だと名乗った。
静香の腹にいる蟯虫は、通常の蟯虫の類ではなく、ハラノムシと言われる妖怪の一種で、寄生した者の犯した罪と欲望を、地獄の閻魔大王に告げ口し、地獄に落とそうとするものらしかった。そんな蟯虫によって、静香の肉体に変化が起こり…