夏の高原を少年が駈ける。蝶のコレクター、伸之である。ここ秩父の山すその町に伸之の母が療養生活を送っており、伸之は見舞いをかねて、蝶を取っているのだった。ギラつく陽光、むせかえる草いきれ。伸之は躰の火照りをおさえきれず、素裸になってマスターベーションにふけり始めた。その時、一匹の蝶が眼の前をかすめた。珍蝶、キマダラルリツバメだ。蝶は少年の体液の匂いを慕うように舞い、飛んでいった。素裸のまま蝶を追って、元に戻ってくると、可愛い少女が伸之のシャツとズボンを着けて駆け去っていった。数日後、伸之は、あの少女、ルリ子からの手紙を受け取った。精神病院に無理矢理監禁されているので助けてほしいというのだった。半信半疑の伸之だったが地図をたよりに出かけて行くと、確かに病院は存在し、ルリ子はいた。伸之は危険を犯してルリ子を救出したが、彼女は気まぐれな蝶のように途中で消えて...
1951年夏、金田一耕助(古谷一行)の乗り合わせた船が、瀬戸内海の小豆島付近で小舟に乗せられた棺の中に横たわる、盲目で聾唖の青年・虹之助(長尾深雪)を引き揚げる。その青年は、金田一耕助が船上で知り合った大富豪の未亡人・大道寺綾子(司葉子)が引き取り、京都郊外のホテルから箱根の芦ノ湖にあるホテルへと連れて行く。青年の部屋で大道寺家の古くからの女性執事・深町君枝(野中マリ子)が刺殺されるという事件が発生、綾子が容疑者となる。東京から駆け付けた日和警部(長門勇)の助力もあって、綾子は釈放されるが、鎌倉にある大道寺家に逗留することになった虹之助の周りで、連続殺人事件が起こる。まずは綾子の知人である芸術家の甲野静馬(冨川■〔※徹ではなく、さんずいヘン〕夫)と由美(服部妙子)兄妹の母・梨枝子(富田恵子)が殺されて…。最後に「原作には金田一耕助は登場していませんが...